コラム「目標の高さ」を追加しました
2023.04.04
コラム
目標の高さ
新年度を迎え、心新たにスタートを切られたこととお喜び申し上げます。新たなチャレンジングな目標に向けて努力し、結果を出していこうと決意されたことでしょう。
さて、私どものクライアントの中にも、この「目標設定」において、問題を抱えておられる会社が多くあります。
「どう見ても達成できないでしょ?」と思うような高い目標を掲げるならまだしも、「これまでどおりやってれば達成できそうだね?」といった低い目標を設定する部下に困っておられる経営者は多いのではないでしょうか?
そんな部下に高い目標を強要しても、部下は心の底で「無理に押し付けられた」と他人事に受け取ってしまい、達成に向けた努力ができずに、結果も出ない悪循環に陥ります。
そもそも、このように「できる」「できない」で論じてしまうことが問題だと思うのですが、いかがでしょうか?
私はこれまで、目標を議論する場合、
横軸:「だれのため?(影響範囲)」:
縦軸:「視座」
とおいて、どこに位置するのかを確認してきました。
横軸には「自分の内側」<「自分と外部の境界」<「自分の外側」
「自分の外側」はさらに「直接関わる誰か」<「影響を与える誰か」と細分化してもいいかもしれません。
縦軸には会社であれば役職、例えば「個人」<「係長」<「課長」<「部長」<「社長」と置くのが良いかと思います。
このマトリクスでは会社のビジョンは右上に位置することになります。
ビジョンから左下の個人の内側まで連鎖していると、企業と個人の向かう方向が一致する理想的な状況となるのではないでしょうか。
さて、例えば目標設定面談において、部下が立てた目標を吟味するとき、その目標がこのマトリクスのどこ(どの視座で誰のために?)に位置するのかを確認してみたらどうでしょう。
位置取りは悪くないのに、目標がしっくりこないのであれば、おそらく表現方法の問題なので、それさえ直せば問題ないでしょう。
視座が低いなら、期待する役割をしっかり伝えて、場合によっては上位者の期待を聞いてもらって、視座を高めて再考を促す。
影響範囲が狭い事が分かったなら、より広く影響力を発揮できたら、どんな結果が期待できるかを部下に仮説してもらうとよいでしょう。
そうすることで、双方納得のいく目標設定ができるのではないでしょうか。